TOEICが『運転免許証』化する時代
今日読んだ下記の一連のつぶやきが参考になったので、自分も英語について少しだけ書いてみる。
最新!英語発音勉強法〜オンライン英会話を併用して最速でネイティブ並の発音法を手に入れる〜
上のリンク先にあるのはいかにして発音能力を向上させるかというお話で、発音関連の必読書とラングリッチというオンライン英会話を利用した発音上達法がまとめてあります。最終的に発音は喉で行うものだとありますが、これは本当にその通りでちょっと声の出し方を意識してみるだけで少しネイティブっぽくなったりしますよね。外国人が一般的に日本人よりも力のこもった歌がうたえるのも言語的に発声法が違うことが1つの要素だという話も聞いたことがあります。発音がうまいと外国人とのコミュニケーションが発音が円滑になるだけではなく、日本人の同僚にも一目置かれるので、自分ももっと発音上手になりたいという思いは持っています。
ただ、今日ここに書こうと思ったのはそういうことではなくて、英語能力にどこまで投資するかは冷静に考えて判断しなければならないという話。
英語の勉強と聞いてほとんどの人がまず最初に思い浮かべるのはTOEICでしょう。TOEICの点数アップに向けて雑誌では色々な特集が組まれ、勉強法などを紹介した書籍もたくさん出版されています。シュウカツするにあたっても、TOEICで良い点をとってアピールしなければいけないなんていう文言を見かけることもあったり。
確かにTOEICの点数をアップさせようとすることは英語能力の向上につながりますし、良い点を持っているとある程度自己アピールにもなることは分かりますが、それでも自分としてはTOEICスコアの指し示す英語能力に非常に懐疑的な感情を抱いています。TOEICで高得点をたたき出したとしても、それはあくまでペーパーテストで高得点をとったという事実を証明するだけで、その人が『不自由なくネイティブとコミュニケーションできる』ということは保証しません。所詮はペーパーテスト、テクニックさえつかんでいれば得点は取れるのですから。
更に、仮にTOEICが高得点でネイティブとのコミュニケーションがそれなりに取れるとしても、きちんと仕事を回せる能力がないと、英語力は何の役にも立ちません。それに、純日本人がいくらTOEICを頑張ったところで帰国子女にはどうしても勝てません。そして最近の大手企業はどんどん帰国子女や外国人の採用比率を高めてきています。そんな中、TOEICの点だけ高かったとしても、そこに何の付加価値があるのでしょうか。
こういった現象を自分はTOEICの『運転免許証』化現象と勝手に呼んでいます。
つまり、TOEICは英語が使えますよー(運転出来ますよー)ということを保証するだけで、英語をつかいこなす能力(運転技術)を保証するものでもなければ、プラチナカードのような珍しいものではなく皆持っているものなので、他の人と差別化できるようなものでもありません。
色んなところで言われていることですが、もはや英語が出来るだけでは屁の突っ張りにもならないです。英語が出来ることはグローバル展開している企業においてはほぼ当たり前のことになりつつあります。これは実感レベルでもそう感じていまして、例えば自分はTOEICが大体900点くらいで英検が準1級という肩書きですが、部署の中ではだいぶ英語が出来ない部類です。みんなグローバルな仕事がしたくて英語を勉強するんでしょうが、英語が出来るだけでは何の差別化にもならないので、配属されたとしてもその先行き詰まってしまうのが見え見えなんですよね〜。逆に、英語がたどたどしいからといって評価されないわけではなく、つまりながらも論点を的確に捉えて自分の意見を相手に躊躇せず伝えられる人は良い評価を得ることが出来ます。
なので、誤解を恐れずに言うと、グローバル時代を生き抜くためには英語なんて勉強してる場合ではない、というのが僕の考えです。
英語の勉強は完璧を求めずコミュニケーションできるレベルになった時点で勉強のペースを落として、今まで英語の勉強に使っていた時間をロジカルシンキングであったり、ビジネスの基本知識や一般教養を習得する機会を増やして”考える力”をつけていく方が確実に『グローバル人材』に近づけるはずです。必要なのは、洗練された教育を受けた外国人とアグレッシブにディスカッションをし、アウトプット生み出す能力なのですから。
いつの時代だって求められるのは小手先の技術ではなく、本質的な力です。
英語だけでなく中国語やその他第二外国語を学ぶというのも一つの手だと思いますが、それを仕事で活用できるかは運によるところが多いので、今の部署で必要とされない限りは、どんな場面でも使える知識や知恵のボトムアップに時間をかけた方が効率的だと思います。
もし自分に自信がないのでせめてTOEICくらい良い点を取っておこうと考えている人がいるとしたら、考え方を改めて自分に自信を持つために本当にしなければいけないことは何かをまず考えるべきでしょう。
かくいう自分もグローバル人材にはほど遠い準おっさんなので、内面から逞しくなれるように日々精進を重ねたい次第です。
以上。