世界は楽しみに満ちている。

ヨーロッパ在住の会社員の雑記帳です。ジャンル問わず好きなこと書いてます。

ネットの中の嘘と本当

突然ですが、この写真を見たことがありますでしょうか。

たぶん、Facebookやってるほとんどの人が、誰かがシェアしているのを見かけたことがあるのではないでしょうか。詳細は省きますが、人種差別をシニカルに批判したスチュワーデスさんの対応が描かれたストーリーで、これを読んだ人たちはみんな”いいね!”やコメントをたくさん残し、まさに拍手喝采という状況がWeb上で起こっています。

そんな現象に一石を投じたのが下記の記事。

Facebookはバカばかり

そう、この話はデマ。正確には、元ネタがあって、それに色んな脚色が付け加えらたお話のようです。

デマと言えば、ちょっと前にゲーセンで出会った不思議な子の話という話が2ちゃんやはてな界隈で大変盛り上がり、自分もこのお話を読んで痛く感動しましたが、これもデマである可能性が非常に高いとされています。それでも大変多くの人がこの話に感動し、リツイートとはてぶの嵐となりました。

この現象を皮肉った記事で有名なのがこちらですね。

実話として流通する嘘に大喜びする愚民


正直、自分は話が本当だろうが嘘だろうが、面白ければそれで良いと思ってます。人種差別の話だって良い話なので1つの例として引用すれば良いと思いますし、ゲーセンの話もフィクションだとしても良く出来ていますし、読んでて楽しいので文庫化されるといいのになーと思っています。

ですが、同時に少し怖さを感じます。

この2つの例は信じたからといって特に何か害があるわけではないですが、これがもし、命に関わる重要な話であったなら。社会をパニックに陥れるような話であったら。

震災の後、放射線を含んだ雨が降るといった悪質なデマが広まり、たくさんリツイートされました。言うまでもないですが、Facebookで良いなーと思った話(実はデマ)をシェアするのと、放射線に関するデマ情報をリツイートするのは、質こそ違えどやっていることは全く同じなのです。

上の2つのブログの著者の方が批判しているのは、まさにこの点で、自分の頭で考えてみることを放棄して流れる情報を鵜呑みにし続けるネットリテラシーのない国民を問題視されているのだと思います。

情報の溢れかえるこの時代だからこそ、情報を発信する側の人は自分の発言に責任を持たなければいけない。ドヤ顔で「いい話見つけた!」と拡散しまくるのではなく、一度それが確かな話なのか確認してみる。嘘の話でもそれが有益で是非みんなにも知ってもらいたいと感じるなら、「※これは実話ではありません。」といった文言をそっと添えて周りにシェアおけば良いのです。そういったことを書くと興ざめになってしまう可能性もありますが、嘘をあたかも実話のように語るのはモラル的にもよろしくありません。

そして受け手側も、情報の出所や信憑性を確認する癖をつけなければならない。始めから100%信じてかからない。少なくとも自分の生活に影響を与えるような重要な話は十分に吟味する必要があります。専門家ですら間違うこともあるのですから。そして、いざという時に考えられるかどうかは、普段からネットとどう関わっているかに尽きると思うのです。ネットリテラシーを磨くためには、日常レベルで考えることを習慣化しないと、いざという時にころっと騙されてしまう可能性が高いので。

自分も情報をすぐに鵜呑みにしてしまう質なので、気をつけようと思う次第です。


以上。


***追記***

指摘されて気づいたのですが、上記に「放射線の雨が降るといった悪質なデマ」と書いてしまいましたが、「コスモ石油の爆発で有害物質が含まれた雨が降る」の覚え間違いでした。お詫びと訂正まで。