世界は楽しみに満ちている。

ヨーロッパ在住の会社員の雑記帳です。ジャンル問わず好きなこと書いてます。

これからの日本を変えていくのはいまどきの若者なのです

自分は今年で27歳になりますが、同年代でも本当にいろいろな人がいるもので、世界一周旅行中に起業してスペイン語のオンライン会話教室を立ち上げた人たちがいるみたいですね。

世界一周中に起業、26歳の若者がスペイン語オンライン学習事業を始めたワケ


起業したのは日本ではなく、なんとグアテマラスパニッシモというオンラインスペイン語会話教室で、グアテマラの現役スペイン語講師と会話をしながらスペイン語を学べるというサービスのよう。

何でまた海外旅行中に起業を・・・と思いましたが、もともとは自分たちの可能性を追求するために海外へ飛び出したのが始まりで、グアテマラで受けていたスペイン語レッスンから着想が膨らみ始まったみたいです。取材を受けている二人はそれぞれリクルート外資系メーカー出身とのことですが、 型にはまった働き方にとらわれず新しい世界へ飛び込んでいける勇気を、同年代としてすごいなーと感じます。

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統計データを持っていないので正確なことは語れないですが、自分たちの世代を客観的に見てみると、あえて大企業ではなくベンチャー企業を選んだり、ある程度働いてより自分に合った方向へキャリアチェンジをしたり、ビジョンの実現のために起業をしたりといった人たちが増えてきている印象を持っています。米国では大きな企業に勤めるよりシリコンバレーなどでベンチャー企業で働く方がクールだと見なされたり、ビジネス家よりむしろ社会企業家が流行していたりするという話を聞いたことがありますが、日本も徐々にこの傾向に近づいてきているのではないかなーと感じます。これからの時代、どんどんそういった選択をする若者が増えてくるのではないでしょうか。 音楽と同じで、アメリカの流行は数年遅れで日本にやってくる…はずです。

よくメディアで『若者の内向き志向』が取り上げられますが、自分はいつもその報道に違和感を感じます。この事業を立ち上げた二人のような人材はネット界隈をうろうろしていると良く見かけますし、身の回りにも夢に向かって日々邁進している人は多いです。もちろん、海外にでていく人もたくさんいます。 というか、米国以外の留学生を含めるとむしろ日本人の留学生の総数は増加しているのです。二極化しているという議論なら理解出来ますが、全体をくくって『内向き』と称するには違和感が拭えません。

ではなぜ若者が『内向き』と揶揄されるかというと、二極化してる一方がクローズアップされて叩かれているというのももちろんあるのですが、それに加えて一回り上の世代との微妙な価値観の差異が、彼らをどこか不快な気分にさせてしまっているのではないかと考えています。

モノの豊かさにあふれるこの世の中、若者の価値基準は間違いなく『なにを持つか』ではなく、『なにをするか』にあります。マズロー欲求段階説でいうところの自己実現の欲求に関わってくる話ですが、今までは『モノ』という目に見えるモノを身の回りに増やしていくことで自分らしさや豊かさを感じることが出来ていましたが、すべての『モノ』がコモディティ化しつつある今、若者が求めるのはモノ』ではなく『意味』です。自分が行うことの『意味』、あるいは自分が存在する『意味』が重要なのです。

一昔前までは出世をしたり、海外駐在することが一つの価値であり、ステータスでした。しかし、それらを経験したとしてその先にいったい何があるのか。大企業で上までのぼりつめてふんぞり返っている重鎮をみても、若者の心はときめきません。自分がどれだけ地位が高かろうが、この世の中ではいつそれがひっくり返るかも分からず、それだけでは心の充足につながらないことを若者たちは知っています。また、この世界には多種多様な価値観が存在していて、日本だけではなく世界中に活躍の場が広がっていることも知っています。だからこそ、『自分探し』に象徴されるように、この決まった型が存在しない社会の中で、本当に自分たちが満足して生きられる方法を探すのです。

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このような若者を大人たちはワガママだと感じるでしょうか?

確かに、社会に何も貢献せず自分の残像ばかり追っているような人たちはワガママかもしれません。でも、暗中模索して本当に自分が『価値がある』と思えることと向き合えた人ほど強いものは存在しません。 そしてそれは、大企業の出世ルートにのって日々の雑務をこなしているだけではなかなか見えてこないものです。

スペイン語会話を立ち上げた二人は、『挑戦こそ自分たちの価値』と捉え、世界を回りながらチャレンジを続け、一つの成果を残すことができました。そしてこれから日本を変えていくような人材は、こうした草の根での活動の中から生まれてくるのだと思うのです。 私見ですが、もはや旧式の大手日本型企業が再び一世を風靡することはおそらくないでしょう。これから世界を変えていくのは、Facebookしかり、Googleしかり、いまどきの若者によって立ち上げられた「人々に『価値』を与える」サービスです。(Steve Jobs氏が行ったのもまさに『価値』を与えるという行為ですね。)

日本の将来のことを考えるのであれば、メディアや頭の大きな大人たちは無用な『若者論』を繰り広げるのではなく、こうした将来への可能性を持った原石を磨きあげることに尽力すべきです。

ちなみに、若者論に対しての考察については下記の記事がおもしろくてオススメです。

「最近の若者は内向きだ」仮説の誤謬
「グローバルネイティブ」たちがやってくる


以上。

イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

■なぜ企業は行き詰まるのか

言わずと知れた名著、『イノベーションのジレンマ』。

1ヶ月くらいかけてじっくりと読みました。評判通り大変すばらしい本です。あまりに内容が示唆的でおもしろかったため、自分のビジネス書バイブル(*1)に追加することにしました。

最近ではコダックが顕著な例ですが、多くの優良企業がじわじわと市場を侵食する新興の破壊的技術にうまく対抗することが出来ず、どこまでも伸びていくかに見えた業績を停滞、あるいは急降下させてしまうことがしばしばあります。

本書はそのような現象が何故起こってしまうのか、その理由に様々な事例を検証し、明快なロジックを組み立てることで証明してみせようという本です。


■優良企業であるが故に、巨大企業は失敗する

大企業が失墜する理由と聞いてぱっと頭に思い浮かぶのは、慢心であったり、内部での政治争いや官僚主義であったり、マネジメント層の能力不足、後継者が育たないといった、いわゆる経営上の弱みです。しかし、そういった弱みがない極めて優良な企業でも、破壊的技術によって立場を追われてしまうケースも多くあります。なぜなら、優良な企業は顧客の声に真剣に耳を傾け、お手本のように優良な経営を目指してしまうからこそ、迫りくる新しい力によって失敗に追い込まれてしまうからです。

優良企業が破壊的技術にうまく対抗できない理由は主に2つ。

まず、企業は今あるバリューネットワーク、噛み砕いて言えば今まさに存在して利害関係にあるお客様や関連企業にとってのメリットを重視するためです。良い商品を出そうとお客様にヒアリングを重ね、関連企業と協力をしながら成長をしていくわけですが、主要顧客を重視するあまりそのネットワーク外にいる顧客に対してはどうしても目がいくことが少なくなります。新しく生まれた破壊的技術がそういったネットワーク外のお客様を捉え、そこで培った技術とノウハウをもって上位市場に新出してきたときに、初めて優良企業はその危機的状況に気づき、遅まきながら時流に乗ろうと粉骨砕身します。リソースを考えると、主要顧客を重視した商品開発を重ねるのは定石。しかし、そこに潮流に乗り遅れるという危険が潜んでいるというわけです。

そしてもう1つが、仮にうまく破壊的技術を自社内で生み出せたとしても、そういった技術は本当に投入しなければならないタイミングにおいては需要がとても小さく、大企業の成長需要を満たさないケースが多いということです。会社の成長を重視する優秀なマネージャーやセールスは、当然売り上げや粗利の増大を重視し、高採算商品を送り出して成長に必要な原資の獲得を狙います。このジレンマがまさに、小回りの効く新興企業にチャンスを与えてしまうのです。


■新しい時代に対応していくために

上記のようなジレンマの解決のために、本書では破壊的技術に取り組む際には既存の組織とは切り離したスピンアウト組織を設立するという案、そしてそれを作る際は主流事業から外れたものとしてではなく成功への重要な過程としてプロジェクトを捉えられる組織にしていく必要がある、と提言されています。

この本を読んで自分の中で何が革新的であったかと言いますと、現在仕事で関わっている新興国向けのマーケティング計画や来年度の事業計画を考える上での自分の思考回路が、まさにイノベーションのジレンマに陥った企業の考え方と類似しているものがあると気づいたことです。(自分の頭の中には決して優秀なブレインはありませんが。。)

利益が取れないローエンド商品よりも高粗利の取れるハイエンド商品を重視しようという戦略、粗利が少なくなるスーパーローエンドは踏み込むべきでないという判断、どれも間違ってはいないのですが、もし破壊的イノベーションの波が押し寄せたとき、あっけなく防波堤が崩れ去ってしまう可能性があります。本書にも「破壊的イノベーションのマネジメントとはマーケティングである」といった趣旨のことが書かれていますが、マーケティングに携わる以上、常に広範な視野で物事を考えていないといつか足下をすくわれると気づかされました。

今、日本のメーカーが新興戦力にその座を脅かされるようになっています。車しかり、薄型テレビしかり。これはイノベーションのジレンマに陥っているというよりは、商品がコモディティ化することでお客様の価値基準が品質から価格へと落ち着いてしまったことによる現象だと感じていますが、こういった閉塞感を打破するためには、既存のバリュー•ネットワークにとらわれているのではなく、色々なお客様に目を向けていくべきでしょう。

日本の優秀な大手企業は、新興企業による本当の破壊的技術が押し寄せてくる前に、今一度自社がイノベーションのジレンマに陥っていないか、あるいは将来的にそのような可能性が予測出来ないか、真剣に考察してみると良いでしょう。

以上。

*1 ビジネス書バイブル…漫画トリコのフルコースのように、とても感銘を受けて座右の銘ならぬ座右の書にしようと決めた本のことを勝手にこう読んでます。ちなみに今のところ自分のバイブルにはドラッカーの『プロフェッショナルの条件』があります。つまり本書が二冊目なのです!

Little Free Library : 本で繋がるコミュニティ

"Little Free Library"という図書館ネットワークをご存知でしょうか。

北米で行われている取り組みの一つなのですが、個人や企業が所有する書籍を簡単に交換し合えるシステムです。システムといってもやり方は極めてアナログで、まず家やオフィスの前に適当な本棚を設置します。そこのいくつか本を並べて、地域の人がそれを貸し出す、そんな至ってシンプルな取り組みです。コンセプトは『自分の小さな図書館を運営しよう!』といったところでしょうか。

ちなみに、これが自分が見つけた紹介記事↓

あなたの玄関が”まちの図書館”に!アメリカ全土に広がるマイクロ図書館ネットワーク「Little Free Library」

どれくらいの人が利用するかは別にして、こういった取り組みは非常に興味深く、地域にとって良い活動ですね。純粋に家に眠っている蔵書をシェアできだけでなく、これを通じて近所に住む本好き同士が交流したり絆を深められることが一つの意義だと感じます。デジタルではなくアナログってのがまた良い。

昨年2011年の漢字にも選ばれた『絆』という言葉。Facebookなど各種SNSの広がりを見ても、『絆』、すなわち人と人とのつながりに関係するビジネスやマーケティング手法が今年はますます広まっていくとみています。そう言う意味で、草の根レベルでこういった活動をすることは時流に乗っ取ったものでもありますね。

似たようなサービスとして、日本ではブックアラウンド代官山というプロジェクトがその名の通り代官山で活動を行っていた様ですが、残念ながら2012年1月で活動を休止してしまうようです。こちらはいらなくなった本をリユースして代官山エリアのカフェやレストランに設置して貸し出しを行うというない様ですが、休止の理由は活動コンセプトに見合った本が集まらなくなってきたことのよう。

NPOなどを立ち上げる時には常にジレンマとしてついて回ることですが、いかにプロジェクトを持続可能なものにしていくかというポイントは非常に重要且つ難しいもの。最初に紹介したLittle Free Libraryも本棚を設置して本を並べるところまでは楽しいですが、だんだん使ってくれる人が少なくなったり並べる本が少なくなってしまうとやがて廃れてしまう。せっかくの面白い取り組みなので、ずっと持続していけるような仕組みを創り出せればいいんですけどねー。

個人的に面白いと思うのはLittle Free Libraryとブックアラウンド代官山の合わせ技で、個人が家の前だけではなくカフェやレストランにも本棚を設置出来るようになればもっと楽しくなるのではないでしょうか。一番本を流通させることが出来た人には景品を送るなど、モチベーションがあがる取り組みも取り入れつつ。借りた本で読書感想文コンクールとかもやりようによっては面白いかも。いずれにせよ草の根コミュニティが気合いを入れて色々イベントを行えば、もっともっと利用者も増えて盛り上がってくると思います。

本を通じたコミュニケーション、自分も本好きなだけにもっと広まるといいなーと思います。

以上。

後悔しない大学生活を送りたい貴方に送る5つのメッセージ

数日前にこんな話がTogetterが話題になってました。

大学生達の人生詰んだ判例集『大学時代・・・こうしておけば良かった・・・』〜パンフレットには載らない、学生達の魂の叫び〜

Tweetもとの@takasuka_tokiが言及してらっしゃるように、失敗しない大学生活の過ごし方ってなんであまり周知されないのかなーと不思議ですね。高校や大学もそうですし、あの身近な話題には事欠かないmixiニュースですら取り上げたことがないような。

このTogetterの影響もあって、もし仮に自分が今大学に入ろうとしている若き人たちにコメントを求められたとしたら、どういう風なアドバイスを送るかなーと考えてみたので、下記5つにまとめてみます。(だいぶ自分の大学生活の反省点がベースになっています。)


*****

1) 大学生1年目の間に卒業後の進路について真剣に考えましょう。

大学4年間は意外にあっという間です。シュウカツが始まるときに自己分析を始める人が多いと思いますが、それでは期間が短すぎるので、ビジョンが付け焼き刃のようなものになってしまったり、本当にやりたいことが見つかっても大学生のタイムリミットが近く結局実現できずに終わる…なんてことがざらです。

大部分の高校生にとって大学に入ることがゴールで、それから先のことは在学中に考え得るという人が多いことでしょう。ただ、高校時代に遊ぶのを我慢して受験勉強に勤しんできた人ほど、大学生活の自由さに魅惑され勉学以外の道に走りがちです。

自分は何のために大学に行っているのか、大学で習得したいことは何なのか、将来どういったことを成し遂げたいのか。

常に自然体でこういったことを考えていられる人は、考えが洗練されてキャリアを選択する上でも大変有利になると思います。


2) 授業は真面目にこなしましょう。専門科目はもちろん、一般教養は何気にとても役に立ちます。

大学教育の意義ってなんでしょうか?

専門知識をつけることとよく聞きますが、自分はそれはどちらかというと”手段”に近いと思っています。あくまで個人的意見ですが、自分は大学教育の意義は、”頭の使い方を訓練すること”にあるという見解です。

例えば今自分が法学部に在籍しているとして、全ての人が弁護士事務所や企業の法務部で働くことが出来るかと問われれば、もちろんそういう人もいますが、大部分の人は法とは離れたところでの勤務となります。経済学部や経営学部で得た知識がそのまま仕事に活用できるかといえば、一部の業界や職種を除いてまず直接的に活用出来る場はないでしょう。

よく企業の求める専門性と大学が教える専門性との乖離が指摘されていますが、まさにその通りで大学生活で得た知識は決して仕事に直結するものではないのです。経済学部と文学部を比べて経済学部を採用とかいうのもないです。

むしろ、仕事に直接的に活かせるのは、答えのない問題や課題に対して入手出来る情報から必死で解を探っていくという、研究活動の思考プロセスにあります。

仕事とはまさに解の存在しない問題との戦いです。「考え抜く力」というのは真面目に勉強をしていれば必ずつく力であり、仕事にダイレクトに効いてくる武器となるでしょう。

一般教養についても、大学生に一番軽視されがちな需要ですが社会の基本的なことを知っておくというのは社会人としてとても重要なことです。経済(というか現代社会)の知識がないと新聞もすらすら読めないでしょうし、上司との会話で困ることだってあります。

自分は授業は徹底して受けなかったタイプなので、このきちんと勉強することの重要性は声を大にして叫びたいです。


3) サークルを大学生活の全てにしないようにしましょう。

これもありがちなパターンなのですが、サークルだけにのめり込んでたら卒業する時には学部学科の友達がいなくなってしまってたというパターン。大学生が後悔したことランキング上位に食い込んでくる項目です。(嘘です、適当です。でも合ってると思います。)

別に友人をサークル関係に限定することは駄目なことではないのですが、それでも少しもったいないですよね。同じ授業を受けて、その科目について語り合える友人というのも当然必要で、そういった友達がいると研究もはかどるというものです。(逆に学部にしか友達がいないと同じような嗜好を持った友達しかできなくなっちゃうのですが)

人脈を広げるという意味でも、積極的に友達の輪は広げておいた方がいいです。人生において、こんなに仲のいい友人を増やすチャンスは二度とないのですから。


4) 積極的に海外旅行に出かけましょう。

これも社会人が口を揃えていうこと。

社会人、学生が思っている以上に海外に行く時間がないです。自分は一応毎年海外旅行に行っていますが、それでもGWや夏休みにしかいけないのでお金がかさむかさむ。しかも旅行期間はせいぜい9日か10日が限度。自分はメーカー勤務だから有給くっつけたりしてある程度連休をのばせますが、銀行関連に勤める人や営業職の人はそうはいかないことが多いみたいです。

個人的には、休学してでも学生は1年くらい海外に出てみるべきだと思います。自分探しの旅…とかはお勧めしませんが、語学留学であったり、インターンであったり。そして行くならアジア諸国など新興国をお勧めします。新興国の学生の熱意や急速に経済が発展してきている社会を目に焼き付けておくことは、かなり刺激になりますし将来への財産にもなります。出来れば現地の学生と議論をしたり、ボランティアをしたり、オフィスで実際に労働を体験できるとより一層良いと思います。(企業が新興国で働ける人材を欲しているという側面もあります。)

どうしても新興国が肌には合わないって人には、英語圏以外への留学をお勧めします。今や大企業では英語を話せることは当たり前になってきています。そんな中自分の価値を出すのに手っ取り早いのは、やはり第二外国語を習得することだと思います。(海外系の仕事希望の人の話ね。)

なんか留学アドバイスみたいになってしまいましたが、とにかく社会人になるとどうしても出来ない体験なので、借金をしてでも日本の外に飛び出してみることをお勧めします。


5) 学会、合コン、サークル、色んな場面でたくさんの人と話し、色々なコミュニケーションの方法を覚える。

さて、最後。

これは特に人見知りの人に聞いてほしい。(自分も人見知りなので)

社会人、やはり人見知りではやっていけません。

働いていてコミュニケーションをとる人はほとんどが知らない人です。お客様はもちろんのこと、社内の人もそうです。慣れてきても異動があるので、新しい人とのコミュニケーションは社会人にとっての大きな課題です。いい人もいれば、頑固な人もいたり、嫌みったらしい人もいたり、大学生のとき以上に幅広い人との出会いが待っています。そんな人たちとうまくコミュニケーションをとっていくためには、やっぱり大学生活の時から色々な人と話す練習をしておいた方が良いです。

さすがに社会人4年目にもなると慣れましたが、大学時代に自分より10歳以上年上の人と話す機会がほとんどなかった自分は、会社に入ってまずそこに非常に戸惑いを感じました。授業に出ない子だったと上に書いた通り、教授とも全然話などしなかったのです。

コミュニケーションがうまくとれると仕事の流れもスムーズになります。大学の時から努めて人見知りを治すよう心がけていれば、社会人になっても立ち往生しなくて済むのではないでしょうか。

合コンの練習というのも大事ですよ。社会人はそれくらいしか新しい出会いがないですからね、ちゃんとお作法を学んでおいた方が良いですよ!


*****

尚、上記はあくまで私の主観に基づくものです。

人によってもちろんアドバイスは違いますし、何よりどうせ大学生活が終わったとき何かしら必ず後悔するはずです。

なので、大切なのはそういった後悔の数を少なくするために、流されるままではなくちゃんと考えながら大学生活を送りましょうねということです。

いやー、でも今から大学生活を送れる若者が羨ましい限りですね。。


以上。

本を読む本

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

■ 本を読むときに何を意識していますか

いきなり個人的な話ですが、去年から継続して自分に課しているテーマとして、『もっと読書の質をあげよう!』というスローガンがあります。2012年は更にそれにドライブをかけようということで、前々から気になっていた「本を読む本」をようやく手に取り読んでみました。言わずと知れた世界的ベストセラーですね。読書という行為の本質に迫り、一冊の本との向き合い方、そして読み方について細かに解説した本です。

普段本を読むとき、自分は要点を拾い上げて点と線で知識を得るというのが自分のスタイルだったのですが、それでは本を楽しむことはできても勉強することはできないなーと一読して思いました。読書という行為は、点とか線ではなく『箱』で知識を吸収するものなのでは、というのが気づきの1つです。

■ いろいろな読書方法

本書で紹介されている読書の方法(分類)は下記の4つです。

1) 初級読書
2) 点検読書
3) 分析読書
4) シントピカル読書

後ろにいくほど高度な読書法となり、場面によってこれらを使い分ける必要があると説かれています。

初級読書はとりあえず何が述べられているかを理解する読書、点検読書はその本が何についての本か、どういった構成•論理展開になっているかを拾い読みする読書、分析読書は頭を使い本と対話するかのように質問と回答を繰り返すことで本の内容を血肉とするような読書、シントピカル読書は同じテーマで複数の本を読み、多角的に論考を分析する読書の方法。こうやって分類すると何やら難しい感じがしてきますが、身近な言葉で例えると、

1) 流し読み
2) パラグラフリーディング
3) 精読
4) 研究

って感じでしょうか。厳密には少し異なりますが、自分の感覚としてはこうです。

■ 要は頭を働かせろの一言に尽きる

『本を読む本』というタイトルは一見ハックのようなノウハウ本に捉えられがちですが、内容は非常に論理的で濃いです。読みやすいビジネス書に慣れている人は少し固く感じるのではないでしょうか。

『積極的読者になれ』と本書中にもありますが、要約すると『頭を働かせろ』の一言に尽きます。受動的に本を読んでいると次々と言葉が入ってくるだけで何も蓄積できませんが(=初級読書)、その本がどういった論理構成で何を伝えたいのか、反論できるポイントは何か、などという点に注意していくとよりアクティブな読書になるということです。そうするためには、まずは目次を見て概要を掴み、章の最初と最後に注目して著者が何を言いたいのかを理解する必要があります。

最初に『箱』で知識を吸収すると述べたのはまさにそのことで、数学でいうと公式だけではなくそこに至るまでの証明もちゃんと覚えなさいよと。学んだ内容を頭の中にフレームワークで整理することが出来ればより知識がついてくると思うので、読書をするときは全体を見るという視点も忘れないようにしなければと思った次第であります。

以上。

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

■ たまには啓蒙的な本を読んで気分をアゲる必要がある

自己啓発本(定義は曖昧ですがここでは精神論を説くビジネス書と定義します)を読むと、大概読んだ時はやるぞーって燃えるのですが、しばらくすると読了後の情熱が冷めてきてしまい結局今までと大して変わり映えもない日々を送ってしまいがちなんですよね。いわゆる自己啓発本の罠だと思うのですが、読んで勉強になったーって思ってそれで終わってしまう。そこに書かれていることは実践しない。そんな日々が続いたので最近はマインドを説く自己啓発本を買うのは控えて出来るだけ実践的な本を読もうと心がけていたのですが、そういった本は大概重いので読んでくうちに疲れてきて、読書のペースが落ちてしまうことに気づきました。

そこではっと思ったわけです。やっぱり本って言うのは並行読みが一番効率がいいんだなーと。ちょっと軽めの本を読んで気持ちをアゲて、それで重い本を真剣に読み込んで、疲れてきたら軽めの本に戻るというサイクル。それがきちんと回れば仕事にもポジティブに取り組める。そんなことを思いつき、まずは最近沈みがちな自分のマインドをアゲることから始めよう!と思い立ち、最近話題の瀧本氏の本を手にした次第です。

■ 武器とは何か

前置きが長くなりましたが、「僕はきみたちに武器を配りたい」を読んだ感想をば。

本書でいう『武器』とは、この競争社会の中、各人が生き残るための『ビジネスマインド』のことです。グローバル化、社会の成熟化に伴う仕事や人材のコモディティ化を指摘した上で、いかにしてビジネスで活躍していけるか、そのマインドが説くというのが趣旨。

一般的にビジネスでの『武器』は『英語、IT、会計』と言われますが、これらは『奴隷になるための武器』であり、不安解消マーケティングの産物でしかない。それよりも重要なのは自由になるための『リベラルアーツ(教養)』であり、蓄積した素養を武器に、コモディティにならない働き方を追求していかなければならない。要約するとそんな感じでしょうか。

『武器』というのは非常に良いワードチョイスですね。本書で再三叫ばれているのが『コモディティ化』という現象と『資本主義社会』という現実なのですが、この激しい競争社会を勝ち抜くためにはまさに『武器』が必要。個人的には競争を勝ち抜く『武器』とは、つまるところ『自分の頭で考え付加価値を生み出す力』だと思っています。本書にもありますが、「誰でも出来る」仕事がどんどん機械や新興国の労働者へと置き換えられていく中、そういった代替手段では実現出来ないことが先進国で働く労働者にはますます求められてきます。とりあえず上司や会社の方針に従うだけならアルバイトでも出来ます。あの手この手を尽くして他の人には真似出来ない付加価値を生み出せる人がこれから生き残っていける人材なのでしょう。

■ 我々はいかにして武器を磨いていくべきか

「付加価値」を生み出せる人とは非常に曖昧な言葉ですが、自分がイメージしているのは本書中に出てくる

「マーケター=商品にストーリーを乗せて顧客の需要を満たしていく人たち」
「イノベーター=既存のものを掛け合わせて新しいものを世に送り出せる人たち」
「リーダー=クレイジーだけど人をマネジメントして大きな成果を生み出せる人たち」
「投資家=視座が長期的かつ大局的でリスクとリターンの感覚に優れている人たち」

といった働き方ができる人たちです。

ただ、一朝一夕でこういうことが出来るようになれるわけがない。先に出た『英語、IT、会計』もあればプラスにはなるかもしれませんが、それらに精通している人なんか山ほどいるので自分だけの『武器』とはいえない。こういった特定の場面でしか活用出来ない知識は、そのうちコモディティ化してしまいます。合間勉強に付け焼き刃でつけた知識であれば尚更です。競争社会で生き残るためにはそういった構造をきちんと理解し、置き換えられない自分だけの価値を追求していかなければならない。

とはいえこの本で述べられるのはあくまでそういった『ビジネスマインド』だけで、読書で得た武器を日々実践し、磨き上げられるのは個人次第です。具体的に明日から何をしろという言及がないのがこの本のミソで、この本を読んで自分で考えて行動出来る人こそが脱コモディティ化できる人材なのだと思います。

以上。

会社をクビになった系のスレは何故こうも秀逸なのか

2chまとめブログには数々のリストラネタが埋まっていますが、かなり高確率で面白いストーリーと出会えるというのが個人的に持っている印象です。

その中でも特に面白いと感じたのがこのスレ。

【転職】会社クビになったwwww2 【活動中】(その2)

もう2年前のスレですが、Twitterタイムラインを眺めていたところ何故かRTされてきていた(新しく転載された?)ので、そのまま休憩時間などを使いながら1日かけて読み込んでしまいました。結構有名なスレみたいなので今更感満載ですが、感想を少しだけ書き残しておきたいと思います。
(ちなみによく見てみると自分も昔一度見たことがある記事のようでした。。)

いわゆる外銀をクビになったストーリーで、就職活動から入社まで、ニューヨークでの研修、彼氏との色々、そして退社まで小説仕立てでドラマチックに描かれています。本人は頭が良くないと強調していますが、随所にスレ主の知性が滲み出ていて、それでいてとても読みやすく頭にダイレクトにメッセージが伝わってくることから、相当な文才の持ち主様のようです。

外銀で働いている方からちょこちょこ噂は聞くので混沌とした社内政治や出世争い、そしてリストラの様子は何となく想像出来るのですが、それにしてもなかなかに酷いストーリー(公私含め)。ドラマのような展開 って現実世界で本当にあるんだなーと思わされます。

普通の人はこのメロドラマに感銘を受けるのかもしれませんが、個人的に何故このスレが面白いと思ったかというと、ストーリー的要素もありますが、それ以上にスレ主の方のバックグラウンドや教養に魅力を感じたことと、 普段全く関わりのない外銀(IBD)の仕事内容、例えば入社時の前準備〜研修のあたりの情報や具体的な仕事内容を知ることが出来たからです。

スレ中に下記のようなやり取りが出てくるのですが、

ベネ「ワインバーグ(仮名)が、あなたはもう少し英語をimproveした方が良いって言っていたから、英会話の学校に通ってもらうわ」
ベネ「それと、、、あなたの専攻を見ると、数学や経済は大丈夫みたいだけど、会計が抜けているわね。会計の塾にも行って」
ベネ「あと、これは任意だけど、社内で弁護士や会計士を招いてケース・スタディをやってるから、興味があるなら来ればいいわ。
    先生も凄いけど、生徒もバンカーだから質問も鋭いし、とても勉強になるわよ。同期の顔も覚えるしね。」
ベネ「最後に、家ね!あなたの働く部署はとても忙しいから、徒歩10分以内のところで家を探しなさい。
    だいたい1年生は月15万くらいのところに住んでいるみたいよ。」

メーカーに勤める自分にしてみれば社内でケース•スタディってのもびっくり(というか羨ましい)ですし、バックグラウンドを見て抜けている技能を習得させるというのも抜け目ないなーと感じます。また、あえて抜粋はしませんが、M&Aに絡む話とか、勝手に財務分析やってしまった話とか、読んでいて勉強になりました。

メーカーで働く温室人間にとっては、こういった話はなかなか刺激的であり、考えさせられるものであります。少し話はそれますが、今日本のメーカーが全体的に元気がないのは円高の影響などももちろんありますが、人材の質が優れているとは言えず、危機対応能力にかけるという要素も少なからずあるのではと思います。少なくとも文系スタッフはもう少し人員削減を意識して、大量の新卒採用はやめ一人一人バックグラウンドを見極めながら優秀な人材を確保した方がいいのではというのが最近の持論でして、そこで浮いたお金を教育や給与の改善に使えばもう少しうまく回るんじゃないかなーと考えているのですが理想論でしょうか。外銀やコンサルでバリバリ働いている人とメーカーでぬくぬく働いている人ではいかにもしがたい能力の差があるような気がしておりまして、個人的にはそこがモドカしい点なのであります。

と、要はそういう問題意識を引き起こしてくれた点でこの話は非常に刺激的だったというわけです。

また、もう1つ刺激的だったのが先述したようにスレ主さんで、生まれながらの天才というよりは、努力に努力を積み重ねいつの間にか他の人よりかなり抜きん出た存在になっていたというような印象を受けまして、とても好感を持ってしまいました。田舎生まれの田舎育ちでも、努力すればエリートの仲間入りが出来るんだなぁと。。良いモチベーションになったので自分も頑張ろうかなぁと。

それにしても、このスレが経ってから2年も経過しますが、今スレ主さんはどこで何をしてらっしゃるんでしょうか。

何となく気になるので、もしどなたか知っていれば教えて頂きたい次第です。

以上。